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飛田 徹; 西山 裕孝; 鬼沢 邦雄
JAEA-Data/Code 2018-013, 60 Pages, 2018/11
原子炉圧力容器の健全性を判断する上で、破壊靱性をはじめとする材料の機械的特性は重要な情報となる。本レポートは、日本原子力研究開発機構が取得した中性子照射材を含む原子炉圧力容器鋼材の機械的特性、具体的には引張試験, シャルピー衝撃試験, 落重試験及び破壊靱性試験の公開データをまとめたものである。対象とした材料は、初期プラントから最新プラント相当の不純物含有量及び靱性レベルで製造されたJIS SQV2A(ASTM A533B Class1)相当の5種類の原子炉圧力容器鋼である。また母材に加え、原子炉圧力容器の内張りとして用いられている2種類のステンレスオーバーレイクラッド材の機械的特性データについても記載した。これらの機械的特性データは、材料ごとにグラフで整理するとともに今後のデータの活用しやすさを考慮して表形式でリスト化した。
Li, Y.*; 加藤 大輔*; 柴田 勝之; 鬼沢 邦雄
International Journal of Pressure Vessels and Piping, 78(4), p.271 - 282, 2001/04
被引用回数:5 パーセンタイル:41.36(Engineering, Multidisciplinary)原研では、破壊評価モデルや数値解析法に新規モデルに導入したPFMコードPASCAL(PFM Analysis of Structural Components in Aging LWR)の開発を進め、これまでに、ほぼコード開発を終えている。本コードには、半楕円亀裂進展評価,破壊基準,焼鈍効果等に新規モデル導入しているが、その他、モンテカルロ解析法やクラッド部の応力拡大係数解析法にも新規の解析技法を開発し導入している。本論文は、解析の信頼性向上と効率化のため、数値解析法における新規モデルや改良点等をまとめたものである。本論文では、以下の項目について紹介している。(1)無限長亀裂の新規応力拡大係数式の作成と導入。(2)クラッド部熱応力による不連続部の応力拡大解析モデルの作成と導入。(3)層別モンテカルロ法における最適層分割及びサンプリング法の開発と導入。(4)その他: 乱数発生法,偏差再計算法等。
柴田 勝之; 鬼沢 邦雄; Li, Y.*; 加藤 大輔*
JAERI-Data/Code 2001-011, 233 Pages, 2001/03
軽水炉構造機器の健全性に関する研究の一環として、平成8年度から確率論的破壊力学コードPASCAL(PFM Analysis of Structural Components in Aging LWR)の開発を行っている。このコードは、原子炉圧力容器に加圧熱衝撃(PTS: Pressurized Thermal Shock)等の過渡荷重が発生した場合の破損確率を解析するコードである。破壊力学の最新の知見や計算機性能の向上を踏まえ、新規解析法や詳細解析法の導入により解析精度と信頼性向上を図ることを目標に開発を進め、これまでにPASCAL-Version 1開発をおおむね完了している。本コードは、自動階層別モンテカルロ法、弾塑性破壊評価基準,半楕円亀裂の詳細進展評価機能,焼鈍効果の評価機能等に改良モデル等を導入していることが特徴的である。また、温度・応力分布作成用の専用入力データプロセッサーも用意している。ベンチマーク問題による検証解析及びケーススタディにより解析機能の検証を終えコードが良好に作動することを確認してる。本報告書は、上記開発経過を踏まえPASCALの使用方法と解析理論及び手法等をまとめたものである。
塚田 隆; 鈴木 雅秀; 川崎 了
Proceedings of Three Mile Island Reactor Pressure Vessel Investigation Project Open Forum, p.151 - 163, 1994/00
TMI-2炉圧力容器下部ヘッドの事故時到達温度の推定は、TMI容器検査計画(TMI-VIP)における主目的のひとつである。この計画では主として圧力容器鋼A533B母材の金属組織を調べることにより到達温度の評価が行われている。しかし、さらに圧力容器オーバーレイクラッド鋼(308ステンレス)についても微細組織を検討することにより温度推定を行うことが可能である。本報では、まず308ステンレス鋼及び計装ノズルに使用されているインコネル600合金について金属組織と温度の関係を検討し、次にアーカイブ材であるMidland炉容器鋼を供試材とした熱処理及び金属組織検査の結果を述べた。アーカイブ材試験により、到達温度推定に母材とクラッドの界面付近の組織変化、-フェライトの析出状態等情報が有用であることを示した。また、これらの検討及び試験結果に基づき、TMI-2炉容器鋼の検査から得られているオーバーレイ組織の検討を行い、それらの到達温度の推定を行った。